昨日の坂本弘道、藤井康治
・・・・・・・・・ 不思議なチェロの話 満員のお客様 ありがとうございました。
官能音楽にすっかり射ぬかれてしまい、
骨抜けにされた次第でございます。
終わりのない
場所と反対に廻る狂った古時計に惑わされて時間感覚も麻痺、観客全員が・ 物語にさ迷ってしまった住人のようでした。
演劇一本分の表現力に想像以上の美しさ、決して品格を失わないエキセントリックさ。 死人の街をさ迷う音楽。 軈て訪れる蒼い朝 明けない灰色の夜
胸を締め付ける恋に堕ちたかのようなトリッキーかつ甘美な時間でした。
2014、1227・ 坂本弘道@薔薇と迷宮
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企画のジャズ大衆舎さんのレポート★
坂本弘道 獨奏の夕べ「不思議なチェロの話」薔薇と迷宮編
即興音楽はたくさん聴いてきたが、今夜の坂本弘道の演奏は、今まで聴いたどれとも違う、まったくユニークなものだった。たとえるなら、夢野久作の大小説「ドグラマグラ」を音楽化したと言えばいいだろうか。あるいは、記憶と時間をめぐる幻想物語、と言っておこうか。そうだ、たとえば、廃屋の中のたたずんだときの恐怖であるとか、雲間から射すあわい陽の光であるとか、夏の日によく冷えたサイダーを口に含んだときの涼感であるとか、おばあさんの家の柱時計の音であるとか、おんぶされたときの母さんも背中のぬくもりであるとか、そんな遠い昔の懐かしい記憶の断片が、せめぎ合い混じり合い、そしてその心地よい混沌が、突然破られ現実に引き戻されたりとか、そんな不思議な物語が紡ぎ出されているかのようだった。数々の奇抜なパフォーマンス(それがどんなものであったか観たものだけの秘密にしておきたいという気持ちにさせられる)も物語の飛び散る破片のように思えた。ライブを終え打ち上げを終え、寝床でこれを書きながら、あれはほんとうにあったことだったのか、朝
目覚めたら夢だったのかと失望するのではないか、と小さな恐怖を覚える。薔薇と迷宮、という場所と名前も私たちを不思議な物語世界に迷い込ませる。2部の最初、藤井康治さんが選んだ作品は宮澤賢治の「月夜の電信柱」だった。馥郁たる香気とファンタジーに溢れた時間だった。打ち上げで二人は、1月3日鞆の浦では、また違う作品をと構想していた。
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企画のジャズ大衆舎さん、お疲れさまでした!
次のジャズ大衆舎企画は
2月のカツラマズルカ薔薇と迷宮です。
前売りチケット発売してます。
最後に
片付け準備お手伝いしてくれたひろのたん、ねこまるさん、非常に助かりました!
差し入れをくださった方々ありがとうございます。